ちょいとマイナーなゲームをご紹介!

世の中にはとても面白いのにイマイチを注目を浴びず、埋もれていく作品が少なくありません。インディーゲームを手軽にプレイできるようになった今は、特にその傾向が強いと感じます。
そこで、この記事では世間的な知名度はイマイチながらも、筆者が実際にプレイして面白かったゲームをご紹介したいと思います。

アフターイメージ

アフターイメージ

今回ご紹介するのは、韓国のパブリッシャーH2 INTERACTIVEによるメトロイドヴァニアタイプのアクションRPG「アフターイメージ」です。ゲーム開発(デベロッパー)は中国のゲームメーカー・Aurogon Shanghaiが担当しています。
日本語に対応しています。

庭園と呼ばれる世界を舞台に、記憶喪失の少女ライネを操作し、庭園の謎に迫っていくというメトロイドヴァニアタイプのゲームです。ちなみにタイトルの「アフターイメージ」とは、ライネが使う特殊な力の事を指します。

良かった点

アフターイメージ

〇特大のボリューム
本作の一番のポイントはコレと言っても良いでしょう。
一般的なメトロイドヴァニアゲームは長くても20時間程度でクリアできますが、本作は最後まで行くのに35時間近くかかります。探索できるフィールドが極めて広く、特殊なスキルが無いと進めない場所も多く、探索する楽しみというメトロイドヴァニアタイプ最大の面白さが詰まっていました。

〇キャラクターが可愛い
既に書いた通り、本作は製作も販売も日本は関わっていません。にも関わらず、主人公のライネを始めとしたキャラクターのデザインは日本のアニメからの影響が強く、とても可愛いです。ライネの担当声優は「ニーア・オートマタ」の2B役でお馴染みの石川由依さんが担当しており、声もバッチリ。相方イフはピカチュウでお馴染みの大谷育江氏が担当しており、コチラも非常に合っていたと思います。
ニコルやアリスなどのサブキャラクターも総じて可愛かったと思います。

〇戦い方が豊富
武器は剣を始め、双剣・鞭・鎌など多種多様。それぞれモーションや攻撃範囲、攻撃速度も違うので、どの武器を使うかで戦い方はかなり変わってきます。更に魔法も使えるので、武具や魔法を変える事で今まで倒せなかった敵も倒せたりもできます。この組み合わせを考えるのも楽しかったです。

〇デスペナルティがほとんど無い
本作はやられても、そこに今まで貯めた経験値が残る以外にペナルティがありません。経験値は再び訪れれば取得できます。更に、道中の探索履歴はシッカリ残るので、セーブからやられるまでの時間が無駄になる事がありません。

気になった点

アフターイメージ

〇ストーリーが分かりにくい
物語はライネの「先生」であるアロスを探すというモノなんですが、途中で謎の敵に襲われたりして、ライネがどういう理由で旅をしているのか段々と分からなくなっていきます。
また、世界観が非常に独特で、全体像を理解するのが非常に困難です。この辺りはもうちょっと丁寧に描いてほしかったです。

〇システムも説明不足
アフターイメージ(特殊スキル)や魔法の効果などが説明を読んでも分からない事が多く、非常に気になりました。
例えば、アフターイメージの「迷える騎士の首飾り」の説明は「古朴な首飾り。血痕の擦り傷だらけ」となっており、全然ゲーム的な説明になっていません。ちなみに効果は「スライディングができる」です。そう書いてくれよ……。
他にも、

「王虫の欠片」
説明:太古の昔に生息地一帯を牛耳っていた巨大な虫の欠片。手に取るとその蛮力が感じられる。
効果:ひび割れた床を破壊できる。

「梟の杖」
説明:装備すると魔法「幻影」を放てる。
効果:敵を自動サーチする分身攻撃。

「神秘の契約」
説明:装備すると魔法「転化」が使える。
効果:最大HPが一時的にアップ。

と、具体的に「どういう効果」があるので書いてくれない事が多く、非常に使いづらかった。特に補助系魔法はパッと見、何が起こってるか分からないので余計イライラしました。

〇難易度はかなり高め
序盤はそうでもありませんが、中盤以降、被ダメージ・敵の攻撃速度がガンガン上がっていき、メチャクチャ難しくなります。特にラスボスに至っては数十回やられ、半ば自暴自棄になるほどでした。
また、セーブポイントからボスまでの道中が長いというのも問題です。それまでに敵と戦ってHPが少ない状態になる事もあるので、「ブラッドステインド」のようにボスの手前にセーブポイントを置いておいて欲しかったです。

更にもう1つ、本作はやられるとセーブポイントに戻されるんですが、そこで「自動セーブ」が行われてしまいます。これがかなり厄介で、回復アイテムを使った上でやられると「アイテムが減った状態」でセーブされてしまうんです。本作はお金を稼ぐのが大変なので回復アイテムは貴重です。使った状態でやられると減ったままで記録されてしまうので「絶対に勝てる」状態でないと回復アイテムは使えません。
ここも何とかしてほしかったです。

昨今のメトロイドヴァニアゲームは高難易度が多めですが、個人的には難易度設定ができると嬉しかったです。

総評

広大なダンジョン、可愛らしいキャラクターなどプラスポイントもあるものの、一方で極悪な難易度、説明不足のストーリーやスキルや魔法の説明などマイナスポイントもある作品だと筆者は感じました。
この辺りは、いつかアップデートで解消してくれると嬉しいんですが、難しいかな……。

【サイトはコチラ】
http://www.h2int.com/games/afterimage/
画像提供:公式サイトより